陰陽師を知るVol.1-陰陽道を構成した「陰陽五行説」とは-

フィギュアスケートの羽生結弦選手が、フリーの題材として陰陽師・安倍清明(あべのせいめい)を取り上げ(2015年シーズン)、ジャンプSQ連載「双星の陰陽師(=助野嘉昭先生)」のTVアニメ化(2016年)など、陰陽道・陰陽師はゲームや小説などにも登場して再び注目を集めています。では、「陰陽道」「陰陽師」とはなんなのでしょうか?それを知るためにはまず初めに「陰陽五行説」について知る必要があります。ここでは初めての方のために、できるだけ簡単・簡潔に「陰陽五行説」をまとめてみます。

陰陽道は「陰陽五行思想」を根拠に構成されている

中国で成立した「陰陽五行思想」の元となったのは、「陰陽(いんよう)説」と「五行(ごぎょう)説」というそれぞれ個別に発展した思想です。それを、陰陽説の学者であった騶衍(すうえん 鄒衍)が、五行説を陰陽説にとりいれ、「陰陽五行説」として成立させたのです。

それでは陰陽説と五行説はどのように物事を捉えていたのかをご説明します。

様々なこと、物に適用される陰陽

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【陰陽説】気の積極的なはたらき(能動的・攻撃的な状態)があるものを「陽」とよび、気の消極的なはたらき(受動的・防衛的な状態)があるものを「陰」と呼びます。簡単に例を出しますと「太陽は『陽』であり、月は『陰』である」というようにいろいろなものが「陰」「陽」という二つの概念でとらえられました。

雌(女) 雄(男)
太陽
偶数 奇数

モノの性質だけでは無く、状態も「陰」「陽」で分けられました。

寒さ 暑さ
後退 前進
左回り 右回り
下方 上方

このように「陽」「陰」は、陽があるから陰があり、陰があるから陽があるという相対的な関係です。

様々なこと、物を5つのグループに分けて考える五行

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【五行説】中国では古い時代から、万象(すべての物事や現象)を5つのグループ「木、土、水、火、金」に分類して考えていました。

曲直(きょくちょく) 曲がる、まっすぐ
稼穡(かしょく) 育てる、実らせる
潤下(じゅんげ・じゅんか) 高い所から低い所へ流れる、潤す
炎上(えんじょう) 燃え盛る
従革(じゅうかく) 形が変わって器となる

陰陽説とは違って、それぞれの行を独立したこと、物として考えます。そして、それぞれが影響をし合っているという考え方が発展し、良い影響を及ぼす関係を「相生」悪い影響を及ぼす関係を「相剋」としました。

五行相剋説(紀元前3世紀ごろ 騶衍)

五行のひとつが他のひとつを打ち負かす考え方で、木→土→水→火→金と流れる。

五行相剋

木剋土 もっこくど 木は土の養分を奪う
土剋水 どこくすい 土は水をせき止める
水剋火 すいこくか 水は火を消す
火剋金 かこくごん 火は金属を溶かす
金剋木 ごんこくもく 金属は木を切り倒す

五行相生説(紀元前2世紀ごろ 董仲舒)

五行のひとつが他のひとつを生み出す(力を与える)考え方。木→火→土→金→水と流れる。

五行相生

木生火 もくしょうか 木がこすれて火が生じる
火生土 かしょうど 火が燃えることで灰が生じる
土生金 どしょうごん 地中から金属が出てくる
金生水 ごんしょうすい 金属の表面には水滴が生じる
水生木 すいしょうもく 水が木を成長させる

このように「五行相剋説」「五行相生説」は、様々な事象を考える上での、陰陽五行説の根幹となりました。

陰陽師を知るVol.2-日本に伝来した陰陽五行説と陰陽道の歴史 -